販売姿勢に限界か Amazonの次は – ヒロ

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私の仕事人生を振り返るといろいろ経験してきたと思います。高校生の時、初のアルバイトがダスキンの営業アルバイトで1日最低2件新規受注がないとその日でクビになるというものすごい条件。私は2日目にクビになりました。その次は大学生の時の警備員バイトで初めは工事現場の夜勤仕事、最後は六本木近くの乃木記念館で宿直一人バイト。夜3回ほど懐中電灯で見廻りに行くのですが、展示物がすごくておしっこを漏らすほど怖かったです。次に150席のレストランのバイトでは皿洗いから入って厨房を仕切るバイト頭までなり、忙しいときはサーバーを手伝っていました。

ゼネコンに入っても工事現場、不動産開発事業だけではなく、ゴルフ場運営業務を日本とアメリカで1回ずつ、アメリカで日本食レストラン運営、アメリカのプライベートジェットの運営会社と重ね、独立してからはカフェにレンタカー、マリーナに駐車場運営、シェアハウス、現在は教科書/書籍の卸販売に高齢者向け施設関係の事業もあります。

しかも多くは汗をかきながらのプレーイングマネージャーでしたのでカラダで覚え込んだことが多く、これだけ多岐にわたる経験が様々な事業の予見につながるし、チャンスがあればどんなものでも食いついていくチャレンジ精神だけはこの歳になっても衰えを見せることはありません。新規参入事業は大変だけど、次の世界を見通すという意味では実にわくわくするひと時なのです。

私が教科書販売を始めた際、日本のある教育出版会社の社長にあいさつに伺いました。事業の勝算を聞かれ、「いつかは打倒!、アマゾンですよ」と申し上げたところ、馬鹿にしたように鼻で笑われました。しかし、実は教科書販売を始めたその日からこのビジネスは5年の賞味期限と割り切っていました。いつまでも紙の教科書を使う時代ではない、と。よってその間に次の柱になるビジネスを立ち上げなくてはいけないと自分の中で「要管理事業」に据えていました。

その対策、何をやったかといえばオンライン販売できるインフラ作りでした。つまりECサイトの立ち上げです。それも一度作ったけれど使い勝手が悪かったので1年もしないうちに全部作り替えました。売る商品の中身は後からついてくるが何が売れるようになっても直ぐに対応できるようなインフラ整備に重点を置いたわけです。

コロナになりカナダの大学で立ち入りができなくなり、大学の書店も閉店します。オンラインで授業を継続するといっても学生が教科書をどうやってゲットするのか、という際に私どもは自社のオンラインストアに誘導することができたのです。しかし、正直言って使い勝手はまだ悪いです。アマゾンカナダにも卸しているので双方競い合いのような形で注文がどんどん入ってくる中でふと思ったのです。

アマゾンの今のビジネスモデルはそろそろ終わると。以前にも指摘したと思うのですが、ECが当たり前になればECショッピングがウィンドウショッピングと同じぐらい面白くなくちゃいけないと思ったのです。かつてアマゾンがダッシュボタンを出したことがあります。あのマーケティングはアマゾンの販売姿勢がグローサリーショッピング、必需品の機械的購入に過ぎないと強く印象付けました。

アマゾンの弱点はデカすぎる、これに尽きるのです。私は百貨店衰退論を十数年前から言い続けています。なぜか、といえば人々はより深いものを求めるからです。オンラインショッピングが当たり前になるならもっとオンラインショッピングに付加価値をつけなくてはいけない、そう考えているのです。

私は自社でオンラインビジネスをしているからこそ、これに気がついています。カナダのショッピファイ社は中小企業向けのオンラインストア事業の支援ビジネスで世界トップクラスを走り成長著しい状況です。そして今回、メルカリが第4の事業の柱としてネット販売の事業を支援する「メルカリShops」を9月から行うと発表しました。メルカリはあくまでも自社顧客のネット販売事業を支援することに当面目標を限定しているようですのでインパクトは小さいのですが、たぶん、それは足掛かりを探しているということかと思います。

私の周りにはまだ様々な未開、未経験の事業案件がたくさんあるのですが、EC事業は力点を入れたいところです。ビジネスのインフラ、つまり輸入業務、倉庫の確保と発送の機能をECの充実化と合わせてできればよいわけです。輸入、倉庫、および発送機能はあるので将来的にそれを拡大するフレキシビリティは十分にあると考えています。

打倒アマゾンはともかく、あの社長に「お見それしました」と言わしてみたい今日この頃です。

では今日はこのぐらいで。

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