楽天モバイル 価格破壊いつまで? – 韋駄天太助

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税抜2980円の使い放題で始まった楽天モバイルはドコモによる類似サービスのahamo対抗により段階性料金を導入しました。
モバイル界の一応キングに同料金まで合わせられたら影響は大きく、楽天はMVNOが主戦とする低料金層も攻めて生き残りを図るしかありません。

毎月のデータ利用量により段階的に料金が変わり1GB未満なら税抜980円で設定しましたが、サプライズは1回線目に限り0円としたこと。
月1GB未満でも無料通話の楽天Linkは使い放題なので、自分名義であれば国民は無料電話付きのモバイル回線をタダで1つ持てることになりました。

キャリアが月3千円前後で競争してくれたら我関せずと商売できたMVNOも楽天の攻勢により軒並み大幅値下げや料金体系の変更を迫られました。
ダンピング的料金設定でMVNOの経営上は堪ったものではないと思いますが、ドコモahamoと楽天モバイルが高いと言われ続けた日本のケータイ料金を全体的に引き下げて家計の通信費負担を減らした貢献は大きいと思います。

(auとソフトバンクは王者ドコモが下げたから渋々追随しただけですね。
ホワイトプランとかやってNTTグループに噛みつき息巻いていたソフトバンクも3強入りしてからは守りに入って180度態度が変わり、今や一番保守的なのはまあ「らしい」ところかも知れませんね!?
故に第4のキャリアが必要とされた訳だが)

しかし、1GB未満無料客ばかりが増えては楽天モバイルの経営も成り立たず更なるシェア拡大と20GB以上使い毎月2980円払ってくれる有料優良顧客の絶対数が必要になります。
さて、データ量月1GB未満なら未来永劫モバイル回線を無料通話付きで0円で維持できるのでしょうか?
楽天モバイルはいつまで続けてくれるのでしょうか?

●無料目的の1つはiPhone取扱いなので既に役目は終えている!?

楽天モバイルは先着300万人まで1年間無料キャンペーンを打ち出しました。
更には当初総務省に割り当てて貰った電話番号も300万回線分でやたらと「300万」に拘っていました。

三木谷氏が社内外に高い目標を掲げて背伸びした「300万」契約獲得号令を出すのは経営者として自然なことではあります。

でも噂程度ですが、当初からアップルが楽天モバイル回線に対応してiPhone取扱いを許可する目処として「300万回線」獲得を最低条件として示した・・という説があります。
世界的には特殊ですが日本はAndroidよりiPhoneのシェアが高いのでアップルが回線に対応せず端末も販売させてくれない状況が長く続くとシェア拡大にも限界があります。

そこで、三木谷氏はポイントや端末をばら撒いてもandroidだけで1年以内に300万回線集めてとにかくiPhoneの取扱いを早めたかったという説。

確かに段階性料金に変更する段階では1年以内に300万契約達成は簡単なハードルではなかったと思います。
でも1年経過すれば無料期間を終えた客の数十%が解約を始めて300万達成は更に遠のきかねない。

従って、1回線目に限り1GB未満無料とし使わなくても課金しないからそのまま置いておいてもらい解約を防ぐことで表面的に300万契約達成することが目的だった!?

実際に楽天モバイルがiPhoneの取扱いを開始したのが今年4月30日でした。
楽天モバイルの累計契約申込数が300万回線を突破したのが3月9日でした。
この突破を以ってアップルがOKサインを出して対応したと考えるとスケジュール感は合います。

実はこの説をあまり信じてはいなかったのですが、林檎様に楽天がキャリアとして認められ取引してやってもいいよと上から目線で言われた契約数が300万だったという噂は結果を見ると信ぴょう性ありますね。
そうだとすると契約数維持を目的とした1G未満無料は既にiPhone取扱いに漕ぎつけ最早必要がないのかも知れません。

●エリアで勝る3キャリアに対抗するという意味ではまだ必要!だが?

じゃあ直ぐに1G無料を止めるかと言えば、既存3キャリアとの競争上特に自社エリアで大きく劣る楽天は低料金で繋ぎ止める必要があるでしょう。
今年夏を予定していた人口カバー率96%は2021年内に延長されています。
これもおそらく背伸びした目標なので(笑)現実はもう少し掛かるでしょう。

一応全国をほぼカバーした段階で無料優遇を止める検討に入るかも知れませんね!?
値上げは難しい業界ですが、本来税抜980円のサービスを1回線目に限り無料で優遇しているという位置付けなので、改悪するのは単純な値上げほど高いハードルではない。
楽天グループのサービス全般で条件改悪は普通に行われていることなので甘く見ない方がいいし、タダを永続してくれるという前提には立たない方が良いでしょう。

●1GB未満無料が永続する可能性は?鍵は完全仮想化技術の輸出!?

楽天モバイルが段階性料金を導入する前で全顧客から毎月税抜き2980円を徴収する前提で損益分岐点が700万契約と言っていました。
段階性料金になったので分岐点は遥かに上にスライドする筈ですが1000万契約程度では黒字化しないでしょう。

単純に顧客あたり平均売上が半分の1490円になったら分岐点が1400万契約になるという単純な構造ではないので大まかに推定するのみで中の人しかわからないでしょうけど。
この単価を高めに維持できて、かつ契約数(シェア)も充分なレベルに達すれば、楽天経済圏への取り込みと個人情報収集(?)という観点で1G未満無料が維持される可能性もあるかも知れません。

また、楽天はドイツのモバイル業者と完全仮想化ネットワークの構築支援で提携して長期契約10年の2500億円で請け負うと言われています。
年間250億円ですが、まだ世界に潜在顧客はいるそうです。(楽天調べ!?)

正直経験値が低い楽天モバイルの仮想化技術とやらがどれ程凄いのか?
はよくわからないのですが、今後も世界に積極的に輸出していく計画のようです。
これが世界に複数売れて儲けることが出来れば、国内の個人向けリテール価格は安く抑えたまま(=1G未満無料のまま)で楽天モバイルは利益を出せるようになるのかも知れません。

何れにせよ、永続するという前提には立たず無料で提供してくれている間は恩恵に預かることが大事だと思います。
また機会があれば具体的な1G無料運用方法を書いてみようと思います。

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