超簡単操作でPCやゲーム機の映像を無線送信できるワイヤレスHDMIエクステンダー「VGA-EXWHD9」を使ってみた

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会議や発表会を開催する際に、遠くの機器に映像を出力するために長くて重いHDMIケーブルを取り回したり、1本のHDMIケーブルを複数人で使い回してPCとプロジェクターを接続したりと、「PCの映像を無線送信できたらいいのに……」というシチュエーションに遭遇した経験を持つ人は多いはず。サンワサプライから登場しているワイヤレスHDMIエクステンダー「VGA-EXWHD9」を使えば、小型な本体を受信側と送信側の機器に接続するだけで映像の無線送信が可能になるとのことで、実際に使って送信される映像の品質や使い心地を確かめてみました。

VGA-EXWHD9【ワイヤレスHDMIエクステンダー】|サンワサプライ株式会社
https://www.sanwa.co.jp/product/syohin.asp?code=VGA-EXWHD9

・目次
◆開封&外観
◆PCとディスプレイを無線接続
◆さまざまなゲーム機の映像を無線出力してみた

◆開封&外観
「VGA-EXWHD9」のパッケージはこんな感じ。


パッケージを開くと、「受信機」と「送信機」の2種類の機器が現れました。


パッケージの中には、受信機・送信機・HDMI延長ケーブル×2・片側がUSB Type-A、片側がUSB Micro-BのUSBケーブル×2・説明書が入っていました。


受信機の見た目はこんな感じ。先端にHDMI端子が搭載され、他にはボタンが1つと折り畳み式のアンテナが搭載されています。


アンテナを展開するとこんな感じ。アンテナで隠れていた部分には、通気孔が空いています。


裏面には型番や技適マーク、シリアルナンバーなどが記されています。


上から見て左側の面には、給電用のUSBコネクタが配置されています。


反対側の面には、ボタンもコネクタもなし。


HDMI端子の反対側の面にも何もありませんでした。


HDMI端子はこんな感じ。


「VGA-EXWHD9」の受信機の大きさを確認するために、一般的なUSBメモリと並べてみました。受信機の寸法は幅32mm×長さ83mm×高さ13mmです。


送信機の外観は、上部に「送信機」と記されている以外は受信機と同一です。


◆PCとディスプレイを無線接続
実際に「VGA-EXWHD9」を使ってノートPC「VAIO SX12」からディスプレイ「EW2780U」へ映像を無線送信してみます。


まずは、映像を受信する側の準備を行います。受信機のアンテナを展開して、HDMI端子をディスプレイのHDMIコネクタに挿入。


次に、USBケーブルを用いて受信機に電力を供給する必要があります。ディスプレイにUSB Type-Aコネクタが搭載されている場合はディスプレイから受信機へ電力を供給できますが、今回用いたディスプレイにはUSB Type-Aコネクタが搭載されていなかったので、ACアダプタを用意して電力を供給することにします。


今回用いたディスプレイの場合、受信機をHDMI端子に差したままだとディスプレイのボディと干渉してUSBケーブルを接続することができなかったので、付属のHDMI延長ケーブルを使って干渉を回避しました。


受信側の配線はこんな感じ。延長ケーブルを介して受信機をディスプレイに接続し、ACアダプタを用いて受信機に電力を供給しています。


この状態でしばらく待ち、受信機のボタンが青く点滅すれば、受信側の準備は完了です。


受信側の準備が完了すると、ディスプレイにサンワサプライのロゴが表示されました。


次に映像を送信する側の準備を行います。今回はノートPCのHDMIコネクタに送信機のHDMI端子を挿入し、ノートPCのUSBコネクタから送信機へ電力を供給しました。


しばらく待って、送信機のボタンが青く点滅すれば送信側も準備完了です。


後は送信側のボタンを押すだけで……


こんな感じに、ノートPCからディスプレイへ映像を無線送信することができました。


「VGA-EXWHD9」の対応解像度は最大1920×1080ピクセル(フルHD)。今回は4K出力に対応したノートPCから4K解像度のディスプレイへ映像を送信したのですが、さすがに対応解像度以上の映像を送ることはできませんでした。


「VGA-EXWHD9」では、送信機のボタンを押すことで、映像出力のオン・オフを切り替えることができます。実際に切り替えを試してみたところ、出力オンからオフへの切り替えは一瞬で、オフからオンへの切り替えには1~2秒かかりました。以下のムービーでは、映像出力のオン・オフを連続で切り替える様子を確認できます。

サンワサプライのワイヤレスHDMIエクステンダー「VGA-EXWHD9」で映像出力のオン・オフを切り替える様子 – YouTube
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「VGA-EXWHD9」の仕様には、100ミリ秒(0.1秒)以内の遅延が発生する旨が記されています。実際に「VGA-EXWHD9」で無線送信された映像を見ながら文字入力やウェブサイトの閲覧を行ったところ、映像表示の遅れに違和感を覚えるほどの遅延が発生しました。以下のムービーでは、GIGAZINEのトップページを上下にスクロールした際に、ディスプレイに表示される映像に遅延が発生している様子を確認できます。

ワイヤレスHDMIエクステンダー「VGA-EXWHD9」の遅延はこんな感じ – YouTube
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また、今回「VGA-EXWHD9」を使ってみた環境では無線送信時に映像の色が微妙に変化する現象や、文字の輪郭がにじむ現象が確認されました。以下の画像は、左側が「VGA-EXWHD9」を使ってPCからフルHDディスプレイに映像を無線送信した際の近接写真で、右側が同じ映像をHDMIケーブルで有線接続して表示させた際の近接写真です。スライダーを左右に動かして見比べると、両者で色の異なる部分があることを確認できます。


サンワサプライに色が変化する現象や文字の輪郭がにじむ現象について問い合わせたところ、「周囲の電波状況が影響している可能性がある」とのこと。実際にオープンソースで開発されているSDRHackRF」で「VGA-EXWHD9」の通信を観察してみたところ、「VGA-EXWHD9」が通信に使っている周波数帯が5GHzのWi-Fi通信に用いられる周波数帯と重複していることが確認できました。


上記のように「VGA-EXWHD9」には「文字入力の際に気になるレベルの遅延が発生する」「異なる色が出力される」といった問題があるため、普段の事務作業や写真・ムービーの閲覧には不向きです。しかし、ケーブルを接続してボタンを押すだけの簡単操作で最大15mまで映像を無線送信できるため、遅延や色の変化が問題にならないスライド発表などの用途では威力を発揮しそうです。


また、「VGA-EXWHD9」は1台の送信機を最大20台の送信機と接続して送信元を切り替えながら映像を表示させることが可能なので、別売りの送信機を複数台用意することで、会議や発表会の参加者のPC映像を次々に切り替えて表示させるといった使い方も可能です。

◆さまざまなゲーム機の映像を無線出力してみた
「VGA-EXWHD9」はPCに限らずゲーム機やデジタルカメラなどのHDMIでの映像出力に対応した機器から映像を無線送信することが可能です。今回は、「Nintendo Switch」「Xbox Series X」「PlayStation 5」の3種類のゲーム機の映像をディスプレイに無線送信してみます。

まずは、Nintendo Switchの映像を無線送信してみました。


配線はこんな感じ。送信機がドックに収まりきらないため、延長ケーブルを介して接続し、電力はドックのUSBコネクタから供給しています。


Xbox Series Xからの無線送信にも難なく成功。


電力は本体背面のUSBコネクタと接続して確保しています。背面に十分なスペースさえあれば延長ケーブルやUSBアダプタを使う必要がないので、配線がシンプルにまとまりました。


最後にPlayStation 5から無線送信してみます。無線送信には成功したのですが……


Nintendo SwitchやXbox Series Xと異なり、本体のUSBコネクタからは電力を供給できませんでした。電力を供給するためにACアダプタが必要なので配線が複雑になってしまいます。


実際に3種類のゲーム機の映像をディスプレイへ無線送信することに成功しましたが、「VGA-EXWHD9」には気になるレベルの遅延や色味の変化といった問題があるので、素早い反応が求められるシューティングゲームや美麗なグラフィックのRPGをプレイするには不向きです。しかし、コマンド型RPGなどの遅延や色の変化が問題になりにくいゲームをプレイする際は便利に使えるかもしれません。

「VGA-EXWHD9」は標準価格が税込8万5800円で、記事作成時点ではAmazon.co.jpで5万2000円で入手できます。

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