ドイツに住む84歳の男性の住宅の地下室から第二次世界大戦時のナチスの戦車や他の武器が見つかった件で、男性には重い罰金が科されることになったとドイツ通信社が報じています。 戦車と兵器類の存在は、彼が第二次世界大戦中に盗まれた美術品を所有しているという密告が当局にあったことから明らかになっていました。
男性は40トン級のパンター戦車をただの「金属のスクラップ」と主張したが…
この男性の弁護士は、戦車は動かすことができないと主張し、もはや履帯(りたい。キャタピラーのことだが、こちらは米同名会社の登録商標)さえついていないという事実を指摘。しかし裁判所は、それでも彼が戦争兵器管理法の違反に当たるとの判決を下したのです。
ドイツの厳格なプライバシー法によりこの男性の名前は明かされていませんが、彼に言い渡されたのは10カ月の執行猶予の判決。さらに25万ユーロ(およそ3245万円)罰金も科されました。
この高齢の男性は英国で購入した40トン級のパンター戦車をただの「金属のスクラップ」だと主張しましたが、ドイツでは戦車や武器、戦争の道具だと考えられる弾薬の所持は違法です。
ドイツでは自動及び半自動銃器の所有は違法となっていますが、その他各種銃器は合法的に所有することが可能です。
以下は、ドイツ通信社からの抜粋です。
2015年の夏に行われた捜索でパンター戦車、88mm口径高射砲、魚雷、迫撃砲、機関銃、アサルト・ライフル、機関拳銃と1000以上の弾薬といった兵器類が見つかった。
男性は戦車を購入する意思のある博物館を探すため2年の期間を与えられていて、BBCによればどうやら米国の匿名の機関が興味を示しているとのこと。
BBCからの抜粋:
2015年7月、約20人の兵士が9時間近くかけて(履帯のない状態の)パンター戦車を住宅地から運び出し、輸送するため低荷台トラックに押し込んだ。
地元当局は、ナチス時代の美術品を求めてその家をすでに捜索していたベルリンの同僚から、地下室の中身についての情報を得ていたと報じられている。
84歳という年齢ですから、男性が生まれたのは1930年代後半で第二次世界大戦に出征するには若すぎたことになります。ナチス時代の兵器を大量に保管していたのは単なるコレクターなのか、はたまたそういった価値観の人なのかは不明です。