エアコンのサブスク 国が検討中 – BLOGOS しらべる部

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環境省は、定額料金を支払うことで一定期間サービスを利用できる「サブスクリプション」を活用したエアコンの普及策を検討している。部屋にエアコンのない高齢者が熱中症で死亡するケースが絶えないことが背景にある。同省は来年度予算が取りまとめられる今月末までに方針を示す可能性があるとしている。

初期費用を抑えエアコンを容易に導入できる環境へ

同省環境保健部環境安全課の熱中症対策担当者によると、エアコンのサブスク案が示されたのは、2021年夏の熱中症対策が政府全体で検討された7月2日の第2回熱中症対策推進会議。同会議では「エアコンの『所有』ではなく『利用』により初期費用を抑え」ることで、高齢者のエアコン利用を促進する狙いが説明された。

検討されているサービスは、毎月一定料金を支払うことでエアコン本体を使うことができるというもの。電気料金は利用者が負担する形などが考えられる。分割払いによる購入と異なり、本体価格分を支払う前に利用をやめることも可能だ。

BLOGOS編集部

エアコンを新しく導入するのに約12万5千円(本体費用10万円+設置工事費用2万5千円)が必要となるモデルケースでは、サブスクを利用することで、本体費用を除いた設置工事費用約2万5千円のみに初期費用を抑えられるとしている。

利用料金など詳細は決まっておらず、実現できるかどうか、政府がどのように補助するかなどを含め、空調メーカー、工事業者、リース業者、自治体などと連携しながら検討中だという。

「エアコン持っていない」「持っているけど使わない」が熱中症の原因に

BLOGOS編集部

高齢者へのエアコンの普及が急がれる背景には、熱中症による死亡者の多くを65歳以上が占めている現状がある。2018年(死者総数1581人)、2019年(死者総数1224人)はともに高齢者の割合が8割を超えた。

2020年の東京23区における熱中症死亡者のうち、高齢者の割合は約9割。また35%がエアコンを持たず、55%はエアコンを持っているが使っていなかったことが分かっている。

こうした事実を踏まえ、熱中症対策推進会議は3月、行動計画の中で「特に高齢者を対象とした、熱中症予防に資する家庭用機器の普及を促進する」ことを示した。

同省担当者は、「熱中症による屋内死亡者の9割がエアコンを使っていなかったという事実がある。まずはエアコンを購入していただき、持っている方にはちゃんと使っていただくことを広めていかなければならない。熱中症により死亡するケースを防ぐためにも正しい知見の発信とエアコンを利用しやすい環境の整備を進める必要がある」と語った。

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