新橋駅のステンドグラス『くじゃく窓』に描かれている孔雀は1羽じゃなかった

ロケットニュース24

1872年(明治5年)新橋駅〜横浜駅間に日本最初の鉄道が開業したことから、新橋駅は日本の鉄道発祥地として知られている。1914年(大正3年)に東京駅が開業するまで、東京側のターミナル駅として重要な役割を担っていたらしい。

そんな新橋駅構内には、鉄道発祥の地としてふさわしいステンドグラス『くじゃく窓』が飾ってある。左側にはまさに新橋〜横浜間を走った一号機関車の正面像、そしてド真ん中には孔雀(くじゃく)が描かれているのだが……この孔雀、1羽ではないって知ってました?

・くじゃく窓

ステンドグラス『くじゃく窓』が設置されている場所は、JR新橋駅改札内コンコース汐留口地下連絡階段の上。東海道本線の地下駅開業を記念して1976年に飾られることになったそうだ。

神秘的で美しいのは確かだが、足を止めてじっくりと作品を鑑賞する機会はなかなかないだろう。多忙なビジネスマンが行き交う新橋駅構内は、階段前で急に立ち止まると事故につながる可能性もある。エスカレーターを利用する際に眺めるのが1番安全かも。

さて、それではじっくりステンドグラスを見ていこう。日本の伝統的な美しさと気品をたたえる孔雀が真ん中。左側には冒頭でお伝えしたとおり、新橋〜横浜間を走った一号機関車の正面像が描かれている。

こちらイギリスから輸入された蒸気機関車で、現在はさいたま市の鉄道博物館で展示されている。1997年に鉄道車両としてはじめて国の重要文化財に指定されたレジェンドだ。


・工部省のマークも

そして「工」マークの入った旗がなびいている。こちら鉄道事業を管轄していた工部省のマークで、ざっくり言うと、国営鉄道のシンボルみたいなものだ。


・文明開化の香り

んで、孔雀は後回しにして、右の動輪はE102号機のもの。ここはまあ、サッと流しておこう。好きな方は、現在「青梅鉄道公園」に保存されているからチェックしてみてほしい。

西洋傘をさしているのは上流階級のオシャレマダムたち。文明開化の象徴であります。当時「高価な傘を雨に濡らすのは勿体ない」ってことで、にわか雨が降った際、傘を死守してズブ濡れのままダッシュしている人も少なくなかったそうな。


そして孔雀だ。実に優雅な姿である。

お分かりいただけただろうか。


実は正面の1羽だけではなく


右下にもう1羽描かれているのだ。


まさかの2羽。さりげないぞ。新橋駅を利用している方はぜひ本物を確認してみてくれよな。


・東京駅のステンドグラスも有名

ちなみにステンドグラスといえば、東京駅も有名。公共施設に日本で初めて設置されたもので、京葉線ホームに向かうコンコースにある。『天地創造』というタイトルで幅約9メートル、高さ約5メートルの超大作だ。

どちらの作品も見応え抜群。設置された当時のまま美しく輝いているので、機会があれば周りに注意してじっくり見てみてほしい。あらためて見たらきっと圧倒されるだろう。


・今回ご紹介したスポットの詳細

名称 新橋駅
住所 東京都港区新橋2丁目17

執筆:砂子間正貫
Photo:RocketNews24.

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